会長× 社長トップ対談

創業から60年を超え、ビッグホリデーは次の時代へ向けた新たな歩みを始めています。旅行業界を取り巻く環境は大きく変化し、旅行のあり方、販売のあり方、そしてお客様との関係性もまた、かつてない速度で変わり続けています。
その中で、ビッグホリデーがこれまで大切にしてきたものは何か。これからどのような企業へ進化していくのか。創業以来の精神を受け継ぐ会長と、次代を担う社長に、100年企業に向けたビッグホリデーのこれからを語っていただきました。

会長:ビッグホリデーの原点は、「共存共栄」という考え方にあります。私が会社を創業した昭和39年は、東京オリンピックの開催、新幹線の開通、首都高速道路の整備など、日本が大きく動き始めた時代でした。しかし、今のように誰もが自由に余暇を楽しむ時代ではありません。旅行といえば、新婚旅行や社員旅行が中心であり、旅はまだ特別なものでした。

そのような時代に、私は「旅行会社同士が競争するだけではなく、互いの知恵を出し合い、共に成長できる事業のあり方はないだろうか」と考えました。そこで、自社で企画した商品を全国の旅行会社・エージェントの皆さまに販売していただく仕組みをつくりました。一社だけでできることには限界があります。しかし、全国の仲間が力を合わせれば、大手にも対抗できる。地域に根ざした旅行会社の皆さまと共に、お客様に良い旅を届けていく。それが、ビッグホリデーの出発点でした。

社長:会長が築いてきた「共存共栄」の精神は、これからもビッグホリデーの核であり続けます。旅行業界は大きく変化していますが、私たちの本質的な価値は、単なる手配代行ではありません。お客様に寄り添い、安心して任せていただけること。そして、全国のパートナー販売店の皆さまと共に、お客様の人生の節目や地域の暮らしに関わり続けることです。

これからの時代、情報は誰でも簡単に得られるようになります。だからこそ、人と人との信頼関係、丁寧な対応、そして「親切と安心」を提供できることが、ビッグホリデーらしさとしてますます重要になると考えています。

会長:今は、旅行だけを提案していればよい時代ではありません。お客様の暮らしの中には、コンサートや観劇、地域の集まり、家族との時間など、さまざまな余暇があります。旅行会社が地域の身近な相談役としてお客様とつながっているのであれば、旅行に限らず、その人の人生を豊かにする時間を提案していくことができるはずです。

たとえば、コンサートチケットの販売は、すでに大きな可能性を感じています。応援しているアーティストの公演に行くことは、その人にとってかけがえのない大切な時間です。旅行だけでなく、そうした心の充足を届けることも、これからのビッグホリデーが担うべき役割だと思います。

また、介護タクシーやバリアフリー対応の宿泊施設と連携し、車椅子の方や高齢の方にも旅を楽しんでいただける仕組みをつくることも重要です。人生の終盤にあっても、ご家族と一緒に思い出をつくりたいという気持ちはあるはずです。その願いに寄り添える会社でありたいと考えています。

社長:中期的には、旅行会社として培ってきたネットワークを活かしながら、余暇領域全体へ提供価値を広げていきます。ただし、それは単に事業領域を拡大するということではありません。私たちが目指すのは、「選ばれる価値」を高めることです。

これからは、価格だけで選ばれるのではなく、お客様にとって本当に意味のある体験を提供できるかが問われます。そのためには、DXによる生産性向上と、付加価値の高いサービスの創出を両立させる必要があります。イベント連携や推し活、地域と連携した提案型の商品づくりなど、旅行の周辺にある余暇を丁寧に捉え、全国のパートナー販売店の皆さまと一緒に形にしていきたいと考えています。

会長:DXは避けて通れません。会社の合理化や利便性の向上のためにも、進めなければならないものです。ただし、効率化だけを優先してしまうと、お客様やパートナー販売店の皆さまに負担を強いることになりかねません。デジタルに慣れている人もいれば、そうではない人もいます。だからこそ、使い方を教えたり、時には代行したりしながら、一緒に進んでいくことが大切です。アナログとデジタルをうまく組み合わせ、誰も置き去りにしない形で変化していく。それがビッグホリデーらしいDXだと思います。

社長:私が大切にしている経営哲学は、「生産性革新による人間性の回復」です。DXは、単なる業務効率化やコスト削減のためだけのものではありません。社員が機械のように単純作業に追われる状態から脱却し、お客様に向き合う時間、考える時間、成長する時間を取り戻すためにあります。

旅行業界、とくに団体旅行の分野は、専門性が高い一方で、属人的で労働集約的な業務が多く残っています。だからこそ、AIやRPAなどのテクノロジーを活用し、非効率な作業を減らすことが必要です。同時に、データを活用することで、これまで一部の人の経験や勘に頼っていた判断を可視化し、社員一人ひとりが新たな気づきを得られる組織にしていきたいと考えています。

DXによって、これまで一部の人に蓄積されていた気づきや知見を組織全体で共有し、対話を生み出す。管理職だけでなく、現場の社員が自ら課題を見つけ、挑戦できる環境をつくる。私はそのような自律分散型の組織を目指しています。トップがすべてを指示するのではなく、現場のあらゆる場所で小さな挑戦が生まれる会社にしたい。そのために、人材育成や評価制度についても、結果だけではなくプロセスや挑戦をきちんと見ていく形へ進化させていく必要があります。

私たちの競争力の源泉は、社員であり、パートナー販売店の皆さまであり、お客様との信頼関係です。社員が豊かな経験を持ち、誇りを持って働くことができなければ、お客様にとって本当に価値ある体験を提供することはできません。

だからこそ、DXによる生産性向上、高付加価値サービスの創出、人的資本の強化を一体で進めていきます。効率化の先にあるのは、冷たい会社ではなく、より温かく、より親切で、より創造的な会社です。そこを見失わずに変革を進めていきたいと考えています。

会長:これからのビッグホリデーには、今まで以上に新しいアイデアを生み出してほしいと思っています。ただし、それはビッグホリデーだけが成長すればよいという考えではありません。全国のパートナー販売店の皆さまと共に、お客様に喜ばれる商品やサービスをつくっていく。その姿勢は、これからも変えてはいけないものです。

地域の旅行会社は、町会や商店街、地域の団体と深くつながっています。だからこそ、大手やオンラインサービスだけでは見えてこない、地域の行事や人のつながり、暮らしの中にある小さなニーズにも気づくことができます。お客様の人生に寄り添い、必要なときに手を差し伸べることができるのは、地域に根ざした旅行会社だからこそです。

旅行会社が、ただ旅行を売る会社から、地域の暮らしや余暇を支えるアイデアマンへと脱皮していく。その中心にビッグホリデーがあり、仲間と共に新しい価値をつくっていく。そうした会社であり続けてほしいと思います。

社長:100年企業を目指す上で、現状維持こそが最大のリスクだと考えています。会長が築いてきた共存共栄の精神、親切と安心を大切にする文化、全国のパートナー販売店との信頼関係は、これからも守り続けます。一方で、時代の変化に合わせて、事業のあり方、組織のあり方、働き方は大きく変えていかなければなりません。

私たちが目指すのは、社員が正当に報われ、成長し、創造的な仕事に挑戦できる会社です。そして、お客様に対しては、旅行という枠を超えて、人生を豊かにする余暇の選択肢を届けられる会社です。テクノロジーを活用しながらも、最後に価値を生むのは人です。だからこそ、人を中心に据えた経営を貫いていきます。

100年企業とは、単に長く続く会社ではありません。時代が変わっても必要とされ、社員、パートナー販売店の皆さま、お客様から「この会社があってよかった」と思っていただける会社だと思います。ビッグホリデーは、これまで支えてくださった皆さまへの感謝を胸に、次の時代に向けて変革を進めていきます。